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一度きりの「いま」。
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そろそろ読み返す時期が来たのでしょう。
本屋さんで自然に出逢い、自然に手に取りました。

最初に読んだときが23歳、今が27歳、
前よりも実感としてわかる部分が多くて嬉しかった。
物語の初めの主人公の年齢、29歳にも近づいてきました。


一人の女性の29歳から40歳までを描いた長編小説。
女性にとっての仕事、恋愛、結婚、出産、家族、そして死とは?


この四年間で私も何度か人生を変える決断をし、
また多くの人の人生に触れることが出来ました。
海外で生活できたこともすごく大きかった。

その中には「運命」として諦めざるを得ないこと、
静かに受け入れるべきこともあったし、
意志の力の強大さを感じることもあった。

そして「いのち」に対しても少し自分の考えが出来てきた。


次に読み返すときには、
私はどんな運命の中にいるのだろう?
たとえどのような運命に翻弄されていようと、
どうか意志を持つことを諦めずにいられますように。(2011.03.26)


 亜紀さん、選べなかった未来、選ばなかった未来はどこにもないのです。未来など何一つ決まってはいません。しかし、だからこそ、私たち女性にとって一つ一つの選択が運命なのです。私とあなたとは運命を共にするものと信じていました。康は、自分に亜紀さんを引き留めるだけの魅力がなかったのだ、と諦めているようです。男の人というのは案外に弱いのです。でも私たち女性はそうではないでしょう? 子を生み育て、この世界を存続させていくのは私たち女性の仕事です。私たちが家を守り、子供を生まなくなったら、この世界は瞬く間に滅んでしまいます。
 (中略)女性はそうやって運命を紡ぎながら生きていくのです。世界中の女性が一つ一つの決定的な運命に自らの身を委ね、この世界の全部を創り出していく。私たち女性はそのことに誇りと自信を持たなくてはなりません。

「もっともっと哀しい目にあっている人が、いまこの世界に何千万人もいて、自分はその人たちのために何もできないでいる。自分が無力だってことを思い知るのが人生の基本だ。そしてその基本にわずかでも別の何かを付け加えていくのが生きることなんだって」

 この花は土や水、太陽の光だけでここにこうして存在しているわけではない、と僕はまるで雷に撃たれたように覚ったのです。この花はそうした諸々のエネルギーを吸収しつつも、この花自身としてこう咲きたいと思っているからこそ、いまこのように咲いている。僕は花そのものの確かな意志をはっきりと感じ取ることができた。
 生命は授けられ、やがて奪われるものではあるけれど、しかし生きているあいだは、受け止める側にそれを決して手放さず自分なりの色や形にしたいという強烈な意志があって、だからこそこの世界に固有の像を結ぶことができる。僕たちが生命の力と感じているのはまさしくその意志のことではないのか、と僕は感じたのです。


        人気ブログランキングへ「運命」を感じていますか?
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家族、恋人、友達、知人、、
人と人とのつながりの定義は難しく、
「家族」ももちろん血のつながりが全てではない。

ここに出てくる4種類の家族は、
ふぞろいで、いびつで、でも、人と人とのつながりから生まれる
あたたかさは失っていない。あるいは、取り戻そうとしている。

私も、私の家族が「ただいま」と帰って来られる場所、
心の拠り所とできる場所を一生懸命つくっていきたいと思います。
たとえ火が消えそうになったとしても、あたためることを諦めずに。

『日曜日のヤドカリ』『リバイバル』がお気に入りです。(2011.03.13)


 弥生さんは家族の脆さを知っている。だからそれは戦って守らなければならないものだと知っている。俺は今日、弥生さんにそれを教わった。弥生さんにそれを教えたのが隣の男だというのなら、俺はこの男に感謝してもいいのかもしれない。

 怪訝そうにこちらを見る赤ん坊の瞳に、私は思った。元気じゃなくたっていい。丈夫じゃなくたっていい。意地悪だって、意気地なしだっていい。長所なんてなくていい。惨めな思いをしたって、させられたって、そんなことはどうだっていい。ただ、生きてくれ、と。私たちと一緒に生きていってくれ、と。

「相談しなくたって、力を借りに行かなくたって、兄貴がいると思うと救われてる。最後にはこの人を頼ればいいんだって、そう思えるだけで全然違う。もしも何もできなくても、少なくとも私と一緒に悩んでくれる。悲しんでくれる。怒ってくれる」


        人気ブログランキングへ自分の周りにあふれるつながり、「絆」を心から大切に☆



図書館で本を借りたのなんて何年ぶりだろう。
なんとなく岡山とのつながりがほしくて図書カードをつくり、
なんとなく手に取った本を借りてみました。
三浦しをんさんの作品は初めてです。
第135回直木賞受賞作。


東京のはずれに位置する「まほろ市」の
駅前にある便利屋、多田便利軒。
経営者の多田と同級生で居候の行天の不思議なコンビ。

家族の代理でおばあちゃんのお見舞い、バスのダイヤ乱れの監視、
庭の草むしり、塾に通う小学生の送り迎え、女子高生の身辺警護、
たいていのことは承ります。


登場人物たちに共通点があって、皆、傷を抱えている。
まだじくじくと痛むものから、かさぶたになってもう取れそうなものまで、
いろんな過程のあった傷。

大切なのはその傷を嘆くことではない。
少なくとも同じ傷を持つ人の痛みがわかるし、
同じような傷を人に与えないということが出来るはず。

自分にしかない傷跡を誇れる人生にしましょう。(2011.03.12)



「聞けよ、由良」
 多田はその手をつかみとめた。「だけど、まただれかを愛するチャンスはある。与えられなかったものを、今度はちゃんと望んだ形で、おまえは新しくだれかに与えることができるんだ。そのチャンスは残されてる」
 由良の手が多田から離れた。閉まりかけたドアに向かったて、多田はつづけた。
「生きていれば、いつまでだって。それを忘れないでくれ」

「はるのおかげで、私たちははじめて知ることができました。愛情というのは与えるものではなく、愛したいと感じる気持ちを、相手からもらうことをいうのだと」

 失ったものが完全に戻ってくることはなく、得たと思った瞬間には記憶になってしまうのだとしても。
 今度こそ多田は、はっきりと言うことができる。
 幸福は再生する、と。
 形を変え、さまざまな姿で、それを求める人たちのところへ何度でも、そっと訪れてくるのだ。


        人気ブログランキングへ相手からもらった、"愛したいと感じる気持ち"を大切に☆


誰かと日時を定めて会う行為を“デート”と発音するだけで、
なんだか特別な響きとなって聞こえてくる。
相手が男であろうが、女であろうが、
私はやっぱり一対一が好きだなぁ。
一対一になって見えてくるものが見たい。

ここに描かれているのは、
ちょっと不思議な組み合わせのデート。
元不良の教え子×定年間近の老教師、
ほとんど話したことがない同じクラスの男子同士、
捨て犬を見つけてしまったOL×大学生、などなど。

『ドッグ・シェア』と『デートまでの道のり』がお気に入り。
瀬尾まい子さんの作品はほぼ読破しているだけあって、
私はこのじんわりとしたあたたかさが好きです。
(2011.03.05)


「なあ、先生」
「何?」
 踊りなんか踊らないからなと宣言しにきたのだろう。私は痛む頭を手で押さえながら顔を上げた。
「デートしよう」
「何それ?」
「お父さんと、先生と、僕とで、かぶと山公園に行くんだ」
「へ?」

           人気ブログランキングへ今したいのは島デートwith一眼☆



久しぶりの重松清作品。
そうそう、この苦味、これがこの人の持ち味だ。
全7編の連作短編集。

馴染んだ毛布と共に2泊3日でレンタルされる「ブランケット・キャット」。
レンタル先は、父親がリストラされた家族、
子どものできない夫婦、いじめに直面した息子と両親、、などなど。

猫が運んでくるものは、明日を変えられる光、ではない。
それは温かな、一瞬の風。
でも、確かに心の中に何かを残していく。

『嫌われ者のブランケット・キャット』と、
唯一、猫目線で描かれている『旅に出たブランケット・キャット』が
お気に入りです。(2011.02.26)


 ひとり――。
 タビーはずっと一人で生きてきた。
 ニンゲンだって、猫だって、この世に生きとし生けるものはすべて、結局はひとりきりなんだ、と思っていた。
 いま気づいた。
 ひとりきりと、ひとりぼっちは、似ているようで違う。
 誰かと一緒にいたいのに一人になってしまうのが、ひとりぼっち――。
 エミちゃんだって、ひとりきりの人生を歩んでいく。
 だが、それは、ひとりぼっちの人生であってはいけない。

 「猫は大切なものを失ったら、困ることしかできないけど、人間は違うの。大切なものがなくなっても、それを思い出にして、また新しい大切なものを見つけることができるし、勝手に見つけちゃうものなのよ、人間は」

            人気ブログランキングへ挿画もとてもいい味です☆


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プロフィール
HN:
ayumi
性別:
女性
職業:
国際物流業⇒食品メーカー
趣味:
読書、野球、トラ、ぷよ
自己紹介:
社会人7年目。海外駐在員を目指し、2009年4月から半年間はタイで働いてました。

2010年12月に外資系食品メーカーへ転職。まずは岡山で働くことになりました。

将来の夢は、自分の言葉と「食」を通して、世界の1人でも多くの人に前向きで幸せなエネルギーを届けること!

いつまでも魂を輝かせておけるよう、好奇心と向上心と「いま」を大切にして生きています。
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