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一度きりの「いま」。
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大好きな小川糸さんの4作目の長編小説です。
すべての命に贈られた、誕生と再生の物語。
男の人にこそ読んでほしい。

読み進めながら何度も何度も涙ぐんでしまった。
命の尊さを思い、また、私をそのお腹の中で、
そして、今まで育んでくれた母への感謝の気持ちがあふれて。


お気に入りのシーンが1つあります。
「人生の初エッチでパンパカパーンになった」サヨリちゃんの、
出産直前の情景です。

 サヨリちゃんが、両手をぐーっと上に伸ばす。それから、コーちゃん、と彼を呼んだ。台所の後片付けを終えたコウジ君は、窓辺のソファに座って雑誌のページをめくっていたが、サヨリちゃんの呼びかけに応じ、彼女のそばまで歩み寄る。そして、とても自然な動作でサヨリちゃんの体を抱擁した。二人は彫刻作品のように手足を絡ませ、その美しい姿に、私は一瞬心を奪われそうだった。

私もいつか、愛する人の子を授かることができますように。
“そのとき”に備えて、いまはただ、心と身体を、
そして魂を、磨き続けます。


そして、もしも危険な出産になってしまったら、この子を優先してほしい。自分の命と引き換えに赤ちゃんの命が助かるなら、私は喜んで自分の生命を差し出す覚悟ができている。
 この子を授かって、ほんの数か月でも、今までとは違う心で世界を見ることができた。それだけでもう、十分すぎるくらい幸せなのだ。

 温かい春の海に浮かんでいると、自分だけが捨て子で重荷を背負っていると思い込んでいたことが恥ずかしくなる。みんな、苦しんで苦しんで、もがきながら生きている。人生の傷は、誰かに代わってもらえるものではないのだから。ある意味、人は生まれ落ちた瞬間から、誰もが捨て子なのかもしれない。どこまでも孤独で、だからこそ、人と触れ合ったり助け合ったりすることに喜びを見い出せるのだ。

「大きい木には大きな影ができるし、小さい木には小さな影しかできないの。亀子は誰が見ても大きくて立派な木よ。でも、あんなに明るくて元気だからこそ、その内面に真っ黒い影を包んでいるのかもしれない」
 しんみりとした声でマスターは言った。私は今まで、先生の光の部分しか見ようとしてこなかった。だけど、影の部分も含めて丸ごとその人を受け入れるということが、本当に愛するということなんだと思った。


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私は1983年8月7日(日)21:55生まれの獅子座です。

この本は立ち読みで読み切ってしまって、
それでも宝物のように手元に置いておきたい、
と思わせてくれたので買いました。

言葉の選び方、語り口、
そして、"占い”というものへのスタンスが
とてもいいんですよね。

ちょっと迷ってしまったときに、
自分らしくあるべき姿を、
はっと思い出させてくれる気がします。


 獅子座の人は、自分の生き方や存在、望みを、主観的にも客観的にも肯定しています。そのため、他者に対しても、相手を自然に肯定することができるのです。自分のワガママは受け入れられるべきだし、それと同じように、相手のワガママも肯定されるべきだ、という前提の上に生きているのです。
 自分でどんなに「自信が持てない」と思っていても、ゆったりとした揺るがない自信を輝かせているのが獅子座の特徴です。
 さらに、自分が「いい」と感じたものは「いい」と信じられますし、ほかの人がどんなに褒めようとも好きになれないものは「よくない」と思い決めることができる力があります。
 何らかの理想を心に描き、それをそのまま表現することができる人です。
 この「自己表現力」も、獅子座の大きな才能のひとつです。
 獅子座の表現力は、うすっぺらな演技とは一線を画しています。獅子座は、みずから理想に「なりきる」ことができるのです。表現しているという意識を持たずに自然に表現できるのです。自分の表情や態度を自分の意志の管理下に置き、決して感情やその場の状況にゆだねてしまうことがありません。

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好きな人が貸してくれました。
金城一紀さんの中篇集。

“今は人生が小説みたい”なため、
a book a weekがしばらく放棄されていましたが、
さすがにこれはすぐに読み始めました(笑)

『恋愛小説』『永遠の円環』『花』
一作目と三作目が好きです。

最近気づいたけれど、自分が女だからかな、
やっぱり魅力的な女の人が出てくる話が好きです。
フィクションにしろ、ノンフィクションにしろ。

好きな人との対話は止めない。
たとえ距離が離れていても。


「君は僕が知ってる誰よりも強い」と彼は手を握りしめながら、言った。
「ありがとう。わたしはね、強い人間になりたかったのよ」と彼女は薄い笑みを浮かべて、言った。「どんなことがあっても好きな人を守ってあげられるような人間にね。好きな人が哀しんでいたら、そんなのたいしたことないのよ、だってわたしがいるじゃない、って言ってあげられるほど強くなりたかったの」

「いまさら遅いんだけれど」鳥越氏は、強い意志をこめた声で言った。「本当に愛する人ができたら、絶対にその手を離しては駄目だ。離したとたんに、その人は誰よりも遠くへ行ってしまう。それが私の二十八年分の後悔だ」




           人気ブログランキングへ好きな人と、対話を☆



悔しい。

こんな言葉の組み立て方が出来るなんて。

たぶん、同い年。

感覚が、研ぎ澄まされている。

決して読後感は良くないのに、目を逸らしながらも惹きつけられる。


小説は所謂人間の「はからいの外」の心の動きを掬いあげて読者に見せるものではないでしょうか。理性や教養や反省の利かない人間の動物的な本能こそが小説を書かせる読ませる原点なのだと思います。(瀬戸内寂聴による「解説」より)


有名カメラマンの恋人の専属モデルを務める主人公。
彼が撮りたいのは、人が人の要素を失っていく過程なのだと気付いたときには、
食べたものを噛むだけで吐き出してゆくという不自然な拒食が始まっていた。

そこへ、恋人とは正反対の熱い心と体温を持った男が現れる。
主人公は、変わることが出来るのだろうか。
“自然体”とは何なのだろうか。


「分かってるよ。俺のゆってることはみんな綺麗ごとだし、世の中が綺麗ごと肯定してるように見せながら否定してるってのも。そんで、多分早希もそういうの信じてないっていうのも」


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『乳と卵』の一年前に、
芥川賞候補となっていた本作品。
第1回早稲田大学坪内逍遥大賞奨励賞。

わたしは「奥歯」を私であると決めた。
そこへ痛みを閉じ込めた。
わたし、私、わたくし、お母さん。

独創的な文体はちょっと強いお酒のよう。
ぐるぐるとそれは回って回って、
私のわたくし率は再び一致する。


(前略)、なあ、なんでかこれのこの一致! わたしと私をなんでかこの体、この視点、この現在に一緒ごたに成立させておるこのわたくし! ああこの形而上が私であって形而下が私であるなら、つまりここ!! この形而中であることのこのわたくし!! このこれのなんやかや! あんたら人間の死亡率うんぬんにうっわあうっわあびびるまえに人間のわたくし率こそ百パーセントであるこのすごさ!


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プロフィール
HN:
ayumi
性別:
女性
職業:
国際物流業⇒食品メーカー
趣味:
読書、野球、トラ、ぷよ
自己紹介:
社会人7年目。海外駐在員を目指し、2009年4月から半年間はタイで働いてました。

2010年12月に外資系食品メーカーへ転職。まずは岡山で働くことになりました。

将来の夢は、自分の言葉と「食」を通して、世界の1人でも多くの人に前向きで幸せなエネルギーを届けること!

いつまでも魂を輝かせておけるよう、好奇心と向上心と「いま」を大切にして生きています。
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