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一度きりの「いま」。
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年末年始の旅行に出発するにあたり、
1日1冊読みたいからもうちょっと本を持っていこうと思い、
東京駅の本屋さんでなんとなく手に取った一冊。

28歳にして処女、仕事ひとすじの主人公に訪れたモテ期。
主人公が“面白い”という今まで自分の中にはなかった新しい価値基準を見つけ、
少しずつ殻をやぶっていく様子が面白かった。

主人公を気に入る男性のひとり、“ギンポ君”がとってもいいです。
 するとギンポ君は、かるく微笑んだ。
「姫はね、本当の悲しみをまだ知らない」
「悲しみ? 知ってますよ。子供のころから、うんざりするほど」
「うん、でもね、本当の悲しみは、まだ知らない」
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舞台は真夏の楽園、フィジー。
フィジー人、インド人、中国人、そして日本人。
2000年のクーデターを背景に、揺れ動くそれぞれの人種の人間たち。

フィジー人のチョネの生き方にふれていると、
自分の中で当たりまえになってしまった価値観に改めて目が向く。
人間の魅力、生き方、豊かさ、日本人としての自分。
チョネのシンプルだけども深い芯の強さ。
周りの人が彼に惹かれるのがすごくわかる。

登場人物たちの生き方が、
国、政治、人種というものとしっかり絡めて描かれていて深い。
どこか観光地を訪れるのにも、
その場所のことを少しでも勉強しておくと違った景色が見えるのかもしれない。

この作者はこういうタイプの作品も描くんだぁ、とちょっと意外でした。
もちろんいい方向に。ほかの作品も全部読みたいです。


 生きることは、損得勘定ではないんじゃないかな。
 その時々の素直な気持ちに従うこと。それが大事だと思う。たぶん、損な人生、得な人生という考え方自体が変なのだ。それこそ貧乏くさい。それに、この国ではどんなに貧乏くじを引いても、飢え死にすることはない。なら、それでいいじゃないか。
 やっぱり楽しかった。自由だ、と感じた。
 と同時に、自由は人と分かち合うものだと思った。同じような心持ちの人間が周囲にいてこそ、本当の意味で自分の世界が広がっていく。一人ではつまらない。単なる自己満足の世界でしかない。
 楽園など、どこにもないんだよ――。
 彼はこう言った。
 楽園は、周りの人間と作り上げていくものだよ。場所なんかじゃない。そしてその人間関係がもたらす心の風景だ、と。



大人の女性ばかりのロックバンドに入った高1のユーリ。
学校と仕事に追われ自分を失いかけていた彼女は、
10歳近く年上のフジシマに出会う。

大人びた高校生の主人公に、一回り年上の恋の相手。
あぁ、これが『はじまりの空』につながるんだなぁと納得。

この作者が描く、周りからちょっと浮いてしまうような、
大人びた女の子が私は大好きです。

 あたしははっとした。不意に力が抜けて、手に持っていた大事な食料を落としてしまったようだった。ブレーキングすることしか頭になかったあたしは、シフトダウンすればスピードが落とせると、初対面の酔っ払いに指摘された。



ひさびさに会った後輩におすすめしてもらった小説。
本屋さんでたまたま見かけて“ピュアフル文庫”ってことに多少ひるんだけど(笑)、
選んでよかったです。
その後に寄ったカフェで、帰宅した家のベッドで、一気に読んでしまいました。

周りより大人びた高校2年生の女の子と、
34歳の義理の兄となった人との恋。
これだけしか書かないと陳腐に聞こえてしまうけれど、
とても上質な小説でした。

高校2年生の女の子の視点で話は進みますが、
不思議と34歳の義理の兄の方に近づいて読めた。

私もパリに行ったことがあって、
ルーブルが、キューピットとプシケが、ギャラリー・ラファイエットが、モンマルトルが、
すぐに思い浮かぶことが誇らしかった。
これだけでもパリに行ったかいがあった。
素晴らしい芸術や場所はそこからさらに素晴らしいものを生むから、
そういう場所に行くことは大きな財産になるのだと思った。

幸せで平和なおかげで忘れかけていたものを思い出させてくれました。

苦めのシャンパンを飲みたくなるような、
いつもよりきつめの香水をつけたくなるような、
上質な黒い下着をつけたくなるような、
そんな小説です。
 周りの人を次々に傷つけながら、私は前に進むのを止めることが出来ない。心の底から悪いことをしてるって思っているのに、改める気なんかさらさらないのだ。
 いままで私は、歳がどうだとか、立場が違うとか、そんなの気にしたことがなかった。好きになるっていうのは、どんなこともはね飛ばして潰してしまう強い気持ちで、それくらいじゃないと本当に好きじゃないんだって決めてた。
 誰かを好きになるって、自分の感情に身を委ねてしまうことじゃないのかも知れない。私は最近、そんなふうに考える。
 


高さ十メートル、時速六十キロ、滞空時間一・四秒。
趣味、恋、友達との遊び、高カロリーの食事、
同級生が楽しんでいるものを諦め飛込み競技に打ち込む少年たち。

試合での成功率や自分らしい演技や怪我やトラウマ。
同じように難度点と演技点を競うトランポリンという競技をやっていたので、
わかる部分も多くて面白かった。

多くの練習と試合を通して、コーチとライバルに囲まれて、
技も精神面も磨かれていく少年たちの姿がとてもまぶしかった。
彼らのその挑戦する姿勢に涙があふれた。
きっと今の私が失くしているものだから。

最後のオリンピック選考会の章は圧巻です。

「うん、なんていうのかな……うまく言えないけど、自分がすごく狭くて浅いところにいるような感じ。もっと広いとこが見たくてテレビとかつけると、えらそうな人たちが映ってるんだけど、そいつらもすごく狭くて浅いところにいるみたいな。一生、こんな囲いの中で生きてくのかって、ときどき絶望的になる。でもおれ、飛び込みでならそれを越えられる気がしたんだ」
「だから教えてよ、ぼくの武器を。あの二人と戦うにはこのままじゃだめなんだ。武器があるならどんなものでも使いこなして、あの二人に勝ちたい」
「成功率は?」
「率じゃないんだ」
「え」
「率じゃなくって、気合いなんだよ」


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プロフィール
HN:
ayumi
性別:
女性
職業:
国際物流業⇒食品メーカー
趣味:
読書、野球、トラ、ぷよ
自己紹介:
社会人7年目。海外駐在員を目指し、2009年4月から半年間はタイで働いてました。

2010年12月に外資系食品メーカーへ転職。まずは岡山で働くことになりました。

将来の夢は、自分の言葉と「食」を通して、世界の1人でも多くの人に前向きで幸せなエネルギーを届けること!

いつまでも魂を輝かせておけるよう、好奇心と向上心と「いま」を大切にして生きています。
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