一度きりの「いま」。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 友達のブログで紹介されていたので(しかも懐かしのエピソード付き)、 さっそく読んでみました。 対照的な女2人の主人公やストーリーの流れが、 『肩ごしの恋人』を彷彿とさせます。 「秘密というのは、少女の貨幣だ。これ以外ではやり取り出来ないことがある」 これを書ける林真理子はやっぱりすごい。 女同士の友情は、どれだけ秘密を共有しているかで測れるところがある。 一方で、男同士だと、びっくりするほど大事な秘密を知らないことがある。 じゃあ男と女の友情は? どれが良いとかそういうことではなくて、 人と人とのつながり方ってほんとにいろんな形があって不思議なものです。 「私たちって、ずうっと不幸にならないような気がしない?ずうっと幸せなままで生きていけそうな気がしない?」 PR 現代(2001年)の日本を生きるフリーター健太と、 戦時中(昭和19年)の日本を生きる飛行兵吾一が入れ替わってしまう。 それぞれの世界に順応しようとする場面が面白かったです。 吾一が必死に現代の言葉を使おうとするところとか。 「大年増」には何度も笑ってしまいました。 ただ、作者が伝えようとしているものはとてもすばらしいものに思えたけど、 いまいち世界に入り込めず(特に健太×昭和19年)、 読むのに2週間もかかってしまいました。 視点の切り替えが、私には早すぎるように感じました。 やっと片方の世界と文体に慣れたと思ったらもう一方の描写になってしまって、 入り込んでがーっと読むことができませんでした。 (ラストはそのスピード感がかえってよかったけど)。 いまある国も、平和も、生活も、命をかけて必死に守ってきた人がいたからこそ、 あたりまえのように存在しているだけなのだと感じました。 五十年後の日本は、多すぎる物質と欲と音と光と色の世界だった。誰もが自分の姿を見ろ、自分の声を聞けとわめき散らしている。謙虚も羞恥も謙譲も規範も安息もない。 だいじょうぶじゃない。健太は気づきはじめていた。 またまた友達に借りました、荻原浩。 キャラが濃くて中盤は疲れてしまったけど、 ラストは一気に読めました。 まだ2冊しか読んでないけど、 荻原浩の魅力は理想と現実のバランスかな? あたたかいけど、ときどき冷たい。 さわやかだけど、きちんと苦い。 社会人になって、人生は「現実」側にぐぐっと近づいたけど、 「理想」だって捨てたくない。 夢、目標、向上心、好奇心。 生きてく上でも、理想と現実のバランスは大切です。 「この国の人間って、昔から闘っても勝てないものをたくさん相手にしてきたから、闘うのが下手なんだよ。サムライの国なんかじゃない。百姓の国。無理して闘おうとすると、舞い上がるは、とち狂うはで、ろくなことにならない。みんなで集まって耐え忍ぶほうが得意なの。そして、そうやって耐えてる自分たちが実は案外と好きなのさ」 自分の魅力を熟知し、 どんなに落ちぶれても、我慢強い女にだけは絶対にならないでおこうと心に誓い、 男は女を守り、尽くすために存在していると信じてはばからないるり子。 そして、そんなるり子に面と向かって「アホ」と言い放つ、 淡々として、理屈っぽく、あと一歩のところで恋にのめりこめない萌。 対照的だけれど、2人とも突き抜けていて、とてもすがすがしい。 共感できるのは、どこかで自分を客観的に見ている萌の方。 るり子は本当に嫌な女なんだけど、言うことは妙に説得力がある。 周りに非難されたっていい。私も「女哲学」磨いていきます。 「大切なところで欠落してるということが、どうしてわからないのかしら。人間はどう生きようがひとりなの。まずひとりを生きることの力をつけなきゃ、生きられないの。男に依存してたら、しっぺ返しが来るわ。その時じゃ遅いのよ」 |
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プロフィール
HN:
ayumi
性別:
女性
職業:
国際物流業⇒食品メーカー
趣味:
読書、野球、トラ、ぷよ
自己紹介:
社会人7年目。海外駐在員を目指し、2009年4月から半年間はタイで働いてました。
2010年12月に外資系食品メーカーへ転職。まずは岡山で働くことになりました。 将来の夢は、自分の言葉と「食」を通して、世界の1人でも多くの人に前向きで幸せなエネルギーを届けること! いつまでも魂を輝かせておけるよう、好奇心と向上心と「いま」を大切にして生きています。
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