一度きりの「いま」。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 『夜のピクニック』が気に入ったので、 恩田陸ファンの後輩に聞いておすすめしてもらった1冊。 主役はそれぞれ“秘密”を持っている4人の高校生。 傷、と言ってもいいのかもしれない。 それは意外なものだったり、納得してしまうものだったりする。 自分が傷ついたとき思うことが2つある。 ひとつは、この痛みをきちんと消化すれば人間として深みが増すだろうなということ。 もうひとつは、同じような傷を負った人の気持ちをわかってあげることができるということ。 主役の一人、光浩は、深い傷を負っている分、 人を見る目にも長けていると思う。 あの人はいつも笑っているから悩みがないんだろうな。 あの人は暗い顔をしてるから不幸なんだろうな。 そうやって決めつけることは馬鹿馬鹿しい。 私は、その向こう側にあるものを知りたい。 「大人はみんなそうだ。全てが終わってから、俺の知らないところでやりたいことを全部やってから、許してくれって言うんだ。俺がどんなに傷つくか、どんなに苦しむかも知らないで。どういうことなんだってきこうと思っても、いつもそのときにはもう誰もいない。誰も俺のことなんかこれっぽっちも気にかけちゃいないのに、俺には自分のことを分かってくれって言う」 PR 純粋と単純と馬鹿は紙一重だと思う。 「お金がかからないから」と走ることを勧められ、放課後ひたすら走ったり。 (ほんとは剣道とか柔道とかかっこいいスポーツがしたかったのに) 24色のクレパスや新品のスパイクやお母さんからの手紙を机の上に出して、 先生からの突っ込まれ待ちをしたり。 でも、そんな主人公(=作者)がほほえましくて、 あったかい気持ちになれる。 がばいばあちゃんの言葉は、 人生にきちんと根付いた実のあるもので、 どれも納得させられます。 こういう人だから、 周りにもいい人が集まるんだろうな。 その周りの人たちの優しさを まっすぐ受け止めている主人公(作者)も素敵だと思いました。 ちなみに私のお気に入りは… 第5章 一番好きで、一番嫌いだった運動会 第15章 最後の運動会 第16章 おせっかいと優しさ の3つ。 読みやすいし、おすすめの一冊です。 「ばあちゃん、英語なんかさっぱり分からん」 どうしようもないことを、そのどうしようもなさごと受け入れ、消化することのできる人間がいる。その一方で、すべての物事が自分の計画通りに運ばなければ決して気のすまない人間もいる。 この人の本を読むといつも思うことがある。 それは、真実は難しい理論の中だけにあるものではない、ということ。 彼女のさらっと書く文章の中に、いくつもの真実がある。 そして、素敵な言葉が散りばめられている。 『すべての雲は銀の…』を読み返したくなりました。 映画『卒業』も観てみたい。 「ねえ、弥生。結果として失敗しちゃった私が言うのも、今ひとつ説得力に欠けるけどね。あんたもこの先、誰かを好きになるかもしれない。そういう時に、その恋がほんものかどうか、見分ける方法がひとつあるよ」 主人公の2人の関係が、『黄色い目の魚』の主人公2人の関係に似ていて、 なんだか懐かしかった。 前半入り込みにくくて、後半にぐんと面白くなるところも似てるかもしれない。 登場人物の誰にも共感できる部分があった。 同じ道を通ってきたからかな? 私たちは自分自身のひとつの人生しか経験できないけど、 本を読むことで、 他の人の道を歩いたり自分の通ってきた道を歩きなおすことが出来るんだと思った。 何度でも。 「あたし、ちっともしっかりしてないよ」 |
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プロフィール
HN:
ayumi
性別:
女性
職業:
国際物流業⇒食品メーカー
趣味:
読書、野球、トラ、ぷよ
自己紹介:
社会人7年目。海外駐在員を目指し、2009年4月から半年間はタイで働いてました。
2010年12月に外資系食品メーカーへ転職。まずは岡山で働くことになりました。 将来の夢は、自分の言葉と「食」を通して、世界の1人でも多くの人に前向きで幸せなエネルギーを届けること! いつまでも魂を輝かせておけるよう、好奇心と向上心と「いま」を大切にして生きています。
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