心に残る仕事

うちの父は建築設計士です。

マンションやビルの設計が専門なんだけど、
最近はとある一戸建ての仕事にかかりっきり。
この前も夜ご飯を一緒に食べる予定をキャンセルされてしまいました。
台風だったから、家の土台が気になるから見に行くって。

何で今さら一戸建て？

それは、父が設計士になりたての頃に設計した一戸建てで育った人からの、
どうしてものお願いだったらしい。
とても住み心地が良くて、友達からもいい家だねってよく誉められたようで。
結婚して、家を建てるとなったとき、
自分の生まれ育った家を設計した父にまたお願いしたいと言ってきたそう。

きっとうれしかったんだろうなぁ。
愛娘からの食事のお誘いを断ってしまうくらい(笑)
だって、父がそう言われたと聞いただけで私がこんなにもうれしい。

自分のしてきたことが、努力が、
実を結んで何かの形で返ってくることなんてそうそうないんだろう。
父が設計士になりたての頃なんて３０年も前のことだし、
もちろんこんな形で返ってくることなんて想像しなかったに違いない。
でも、だからこそ、頑張る価値ってあると思う。

目の前の仕事に夢中になっていると、
ただ流れてきた仕事をこなすだけになってしまって、
何でこの仕事をしたいと思ったのかとか、
これからどうしていきたいのかとか、
つい忘れがちになってしまう。

父から聞いた話は、そんなことを思い出させてくれました。

私もいつか、人の心に残る仕事が出来たらいいな。